2013/06/20

風の強い夜

 一日中寝惚けていたような感じ。何も手につかず、何も考えられない。その原因はただひとつで、それは寝不足。ほかに何も理由はないだろう。ただの寝不足。強いて言うなら、研究会が結構忙しいということくらいかな。あと、金を使いすぎている。酒って高い。そうしてぼくには金がないのではなくて、むしろ酒を飲む金があるということだ。それが過ぎた結果の貧しさなのだ。なんて贅沢なんだ、嫌気がさしてしまう。

 今日こそはと何度思っても眠れない。昼間は眠いのに、夜眠れない。ずっと夜だったらいいのに、と思う。ずっと朝が訪れなければいいのに。気紛れに煙草を咥えて外に出て、カツカレーでも買って帰り道の公園の立派な机でそれをかきこんで、音楽を聴く。街灯の情に満ちたあたたかい明りのもとでぼくは古今東西の音楽を口ずさむのだ。それにも飽きたら酒を煽って家路につく。シャワーを浴びて、また音楽を聴きながら微睡むのだ。永遠の真夜中では、充実した睡眠などは必要ない。寝るだけ寝て、あとは起きていればよいのだ。気が向くなら女の子を呼んで話をしてもいい。旧友と昔のことを思い出してもいい。夜は終らないのだから、ぼくらは自由だ。

 自由とは何か、馬鹿げている。
 ぼくには今夜があって、もう少しすれば夜明けがある。それがぼくの一生というものなのだし、そうである以上、ぼくはそれを乗りこなさなくちゃならない。早く寝ましょう。

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