この生活から脱却するためには、この状況から脱却する必要がある。しかしぼくにはその術がない。それがぼくの弱いところだ。ぼくはぼくの力でここから脱け出すことができない。
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よくものごとを忘れる。記憶力が無いことを自負している。もしかしたらそれは、無意識のうちで忘れようとしているのかもしれない。過去とは、記憶とは、結局のところ自分を苦しめるものでしかないということを、ぼくはぼくの意志とは無関係に行っているのかもしれない。
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口の中がとても渇く。中学で一緒だった女の子の噂を聞いた。彼女は誰とでも寝るらしい。ぼくの旧友のうちの何人かも、彼女と寝ているのだという。ぼくは嫌な気分になった。誰も信じることはできないと思った。別に悪いことではないだろう。しかし、どうしてそれを酒の肴にできるのだろう。ぼくには理解ができなくて、笑えなかった。彼らは乳房の話をしていた。下劣だと心から思った。きみたちは日ごろから全裸でいたらどうなんだ?品性の問題だ。
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品性の問題なのだ。そうして品性とは、ただしい認識に基づくものであるはずだ。
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ぼくは今、とても気分が悪い。誰とも話したくないし、誰にも会いたくない。でもそうはいかない。明日は朝から授業だし、夜には研究会でグループワークだ。はっきり言って、嫌で仕方ない。だって眠れないのだ。ノイズは豪雨のように降り注ぎ、ぼくには息継ぎをする暇さえ与えられていない。
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