2013/04/22

自転車を買った

 腕立て伏せをしてシャワーを浴びて自転車を買いに出かけた。一番安くて一番シンプルなものを選んで、そのまま乗っかって帰ってきた。途中で焼肉の誘いを受けて、駅前の店で肉を焼いた。それから解散をして、あるグループはカラオケへ、またあるグループはバッティングセンターへ行った。Y根とぼくだけが残った。バッティングセンターまで自転車を漕ぐには寒すぎたし、カラオケの閉塞感に耐えられるほど腹はもう減っていなかった。ぼくらは何となくバーに入って、エンガワのポン酢和えをつまみに酒を少しだけ飲んだ。

 Y根は思っていたよりもおもしろい男だった、と書くとなんだか上から見ているようにうつるけれど、本当に、純粋に驚いた。彼は二年で、もう出会って一年が経過していたのだけれど、今までの印象と今夜とでは全く違った。ぼくたちは学問の話をして、就活の話をして、大学の話をして、人間の話をした。ぼくは嬉しくてつい、少し酔っ払ってしまった、帰り際、「またお話をしましょう」と言ってくれた。きっとあれは本心だろう、信じている。ぼくは心底嬉しかった。大学にかような話をできる人間は本当に限られていて、その詰まらなさに正直うんざりしてしまいがちなのだけれど、彼のような男がいてくれると、ぼくとしては本当に助かる。ありがとう。



 延命をして、或いは、金を稼いで、そういったことに絶対的な価値を置く。病に冒されても長く生きられれば生きられるほどよいとされるし、就職したならばより多くの資産を手に入れることが賞賛される。しかしね、その生き方は本当に危険だ。なぜなら、彼らは間違いなく、敗北するからだ。

 ぼくらはみな死ぬ。死んだら命は無くなるし、貨幣にも価値はなくなる。彼らは敗北するのだ。

 価値を置く場所には慎重にならねばならない。

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